入社してまだ3ヶ月と満たない赤川は、そのいかつい身なりを潜めるようにして工房の中を動き回る。そしてよく転ぶ。「ものすごいマイペース人間!」これがデッチ仲間が口を揃えて言う、赤川の素顔。のんびり屋でひとつのことに夢中になるタイプの彼は、決して器用とは言えないかもしれない。けれども真面目すぎるほど生真面目で一生懸命な彼の仕事に対する姿勢からは、憧れだけではやってゆけないこの「職人」という世界を選んだ彼なりの想いが伝わってくる。
どうして職人という道を選んだの?という問いに、「自分のこの手を生かせる職業、最終的にもの作りで自立できるような暮らしをしたいとずっと思ってて、それが職人という道だと。とにかく、ものを作る人になりたかったんです」と、この年齢にしては珍しくしっかりと先を見据えた将来像を、照れずに淡々とした口調で話してくれる今の赤川に、迷いは無いようだ。 |